おすすめマイクプリアンプと使い方|プロが厳選

マイクプリアンプは色々と出回っていますが本質はチャンネル単価と大元の品質です。安物は変化に乏しかったり、通すと逆に低クオリティな痩せたサウンドになります。
最近ではマイクプリを使わない人も増えました。DAWソフトのマイクプリアンプを使って後がけする人も多いです。

しかしマイクプリはCDクオリティのサウンドを作りたい場合、必需品です。そこでプロとアマの大きな差が生まれます。ここではその理由を踏まえて、買うべきマイクプリについて詳しく解説していきます。

目次

マイクプリ選びのコツと使い方と本質
真空管とソリッドステート

おすすめのマイクプリ

マイクプリ選びのコツと使い方と本質

まず一番注意したいのがマイクプリはチャンネル単価だということです。それは2チャンネルのマイクプリで20万のものがあるとすると、1チャンネル辺り10万の単価になります。これがマイクプリの実質的な価格です。2チャンネルで10万円くらするものを買うなら、1チャンネルで10万円のものを買う方がはるかにコスパが良い訳です。

マイクプリを2ch同時に使う事など滅多にありません。予算があるようなメジャーバンドやオーケストラ楽器、ドラムの録音など、大きなスタジオで複数人が同時録音する時にしか使いません。
メジャーバンドのレコーディングですら、普通は1chずつ録音していくので、大きなスタジオでもなければ、2chはいらないということを認識しておいて下さい。

次にEQやコンプがマイクプリに付属しているものです。最高グレードのマイクプリには必ず付いてきて、それの有る無しで10万円以上も原価が変わってきます。今の時代コンプやEQに関してはDAWソフトの後掛けの方が良いとされます。後から納得がいくようにいじれるので、そちらの方が汎用性が高くなる為です。コンプをかけて録ると後からの修正が出来なくなってしまうのです。筆者も1073を頻繁に使っていますが、付属のコンプやEQは殆ど使わないです。昔はソフトの品質が今ほど良くなかったので、コンプやEQは重宝されましたが、今はPCの中で同じような音が簡単につくれます。

ではマイクプリは必要ないのでは?と思う訳ですが、マイクプリ本体の部分がとても重要です。マイクプリ本体にはコンデンサーマイクから拾った声の倍音を増幅させる機能があり、これは後からDAWソフトで処理しようとしても、真空管や高品質ソリッドステート回路をまとった音の再現は不可能です。apollo twin mk2 などは頑張っている感じですが、65点くらいで実物と比較するとまだ差があります。いずれは完璧に再現できるようになると思いますが、今の段階では高価なトップクラスのマイクプリの音をDAWのプラグイン掛けで再現することは不可能です。

真空管とソリッドステート

大まかに説明するとマイクプリアンプには二種類に分かれており、それは真空管とソリッドステートです。真空管は主に中低音の倍音を増幅させて、バランスをそのまま整えて、真空管独特の上質な感じを声にまとったサウンドになります。ソリッドステートは物にもよりますが、高価なものになってくれば来るほど、高音域を中心にざらついた音になり倍音が増幅されて、声がしっかりと立体的に前に出てくる感じです。

真空管もソリッドステートもルーツをたどれば下記の普及した大元のマイクプリに行き当たります。これらの回路は未だDAWプラグインでの再現は不可能な状況です。

BAE1073

ソリッドステートのマイクプリアンプではNEVE1073が代表的で、最も良いとするエンジニアが多いです。二ーヴさんはまだ生きていますがオリジナルは既に生産されていません。同じ回路の再現版がBAEから出ています。最新の部品と設計を駆使して、忠実に現物をリニューアルしておりEQやコンプ付きのもので35~40万くらいです。下のものが1chの単価が最も高い最上位のモデルです。これは本当に素晴らしい品質でグイッと高音をふくよかにして強めのジャキッとした倍音の増幅で、音を前に出してくれます。ロックなどの激し目のサウンドと相性が良いです。ポップスのサウンドにも使え、汎用性に富んだ最高峰のマイクプリアンプです。

UNIVERSAL AUDIO  6176

対して真空管のマイクプリはユニバーサルオーディオの610シリーズと1176のコンプが有名で、最も普及しているマイクプリとコンプの一つです。アメリカ音楽史の歴史を築いてきたとマイクプリやコンプと言われ、ノイマンの87と合わせて、大きな所にはどこのスタジオにも置いてあります。現在も創造者の息子によって生産され続けており、お値段はコンプEQ付きの一番上のグレードのもので25~30万円くらいです。これが真空管のトップレベルのマイクプリアンプです。1176のコンプの方は今の時代、これのDAWのサードパティ製プラグインや似たようなプラグインでも代用が効きます。ただ610の真空管回路のマイクプリアンプ部分は1073と同じくDAWでは再現できないです。610は中低音をふくよかにし、全体的に真空管を纏ったバランスの良い上質なサウンドになります。アコギなどの弦楽器や繊細な優しい声のボーカルに相性が抜群です。

おすすめのマイクプリ

どのコンデンサーマイクを買えば良いかという所なのですが、結局この歴史を築いてきた一番有名なソリッドステートと真空管のマイクプリアンプ部のみのタイプを買うのがベストです。コンプやEQに関しては今の時代はほとんど使いません。DAWのプラグインの性能が格段に上がっているのと、後から細かくに処理する方が品質が高くなるからです。なので1chのマイクプリ部分だけのものを購入すると良いです。以下の二つがそれぞれのEQ部分とコンプ部分を省いた上記のマイクプリの省略版になります。

BAE 1073DMP

これは使ったことがあるのですが、本当に上記の1073のマイクプリ部分を上手く抽出しています。全体(特に高音)の倍音が増幅され、ぐっと音が前に出てきます。ざらついた高域の感じが素晴らしくNEVEの音になります。ギターの音やその他の楽器の音はつぶれ気味になりがちなので調整が難しいです。激しいロック系の曲向き。ボーカルは全てのジャンルに汎用性が高いです。手っ取り早くCDの音質になります。12万程度。

UNIVERSAL AUDIO SOLO/610

こちらは良く使います。本当に素晴らしいの一言で、声全体に真空管の感じをまとわせることが出来ます。安価のものと圧倒的に違うのは中低音をふくよかにし、その全体がバランス良く変化する所です。少し聞いただけで変化は実感できます。操作性は真空管だけに1073よりも難しいです。手早く録りたい人は1073の方が良いです。音自体は1073にしてもそうですが、このマイクプリにしか出せない唯一無二の音です。12万程度。

 

FOCUSRITE  ISA One Analogue

上二つの変化と比べると劣りますが、これはシルキーなサウンドを得ることができます。声が上品にしっとりと多少変化するイメージです。上二つのように大きくは変わらないです。しかしこのマイクプリアンプはコスパも良いですし、いきなりマイクプリに10万以上出すのは…という人向け。マイクプリの実力を知る一歩と言う意味では、コスパの良いオススメのマイクプリアンプです。5万程度。